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Love Actually ラブ・アクチュアリー

イギリス映画 (2003)

トーマス・サングスター(Thomas Sangster)が、名優たちに伍して愛を完遂する傑作ドラマ。この映画の最初に素晴らしいナレーションがある。それを 最後を締めるのは、「愛は、実際、至る所にあるのです〔You’ll find that love actually is all around〕」という言葉。映画では、このうち、「love actually is all around」がそのまま文字として残り、さらに、「love actually」となる。これが映画の題名だが、loveは名詞、actuallyは副詞なので、実は変な組み合わせ。そこが、この映画らしくて何とも面白い。映画に登場するカップルは、重要なものが2組。①Colin FirthとSienna Guilloryのカップルと、②Liam NeesonとThomas Sangsterの親子だ。これに次ぐのが、③Hugh GrantMartine McCutcheonのカップル、④Emma ThompsonAlan Rickmanの倦怠期夫婦、⑤Bill NighyとGregor Fisherの男2人組(ゲイではなく長年の付き合い)。最後のチラリ組が、⑥Laura LinneyとRodrigo Santoroの結ばれないカップル、⑦Keira KnightleyとChiwetel Ejioforの新婚夫婦、⑧Martin FreemanとJoanna Pageのポルノ俳優カップル、⑨女性狂いのKris Marshallという多様な人々(これに、端役だが、⑩Rowan Atkinsonが加わる)。トータル135分と普通よりは長尺の作品だが、この枠の中で展開される9組の「愛」の中で、遜色なく存在感を示し続けることは大変なことだ。ペアの両方が名優だと、特徴が目立たないので、ペアの片方は知名度の低い俳優が選ばれているのがキャスティングの妙。ポスターに描かれているのは、青字の10人。実際に見てみて、Keira Knightleyは出番がほとんどないのに10名に入っている一方、出番も多く個性も十分に発揮しているThomas Sangsterが入っていないのは、子供だからの差別に他ならない。映画の最後は、Colin FirthとThomas Sangsterの2人が画面を交互に占めている。この2人は、『The Last Legion(最後のローマ軍団)』(2007)でも1対1で主演しているが、本作品では、交互に登場はするが同じ画面に出ることは一度もない。

トーマスが演じるサムのパートは、母の葬儀から始まる。死の病を従容と受け入れていた母が逝き、サムは義父のダニエルと2人だけで残された。ダニエルは、何とか「父と子」の関係を打ち立てようと、元気のないサムに話しかける。すると、意外な事実が判明。サムの意気消沈は母の死によるものではなく、片思いによるものだった。11歳で恋愛とは、と驚くダニエルだったが、サムの真剣な想いに、何とか解決策を見出そうとするが、本人も「オクテ」男なので、なかなか名案が浮かばない。結局、道を切り開いたのは当事者のサムだった。学校のクリスマスコンサートで歌う「彼女」のバックバンドの一員になれば、注目してもらえるかもしれない。何ともいじましい決心。それからのサムは、ドラムの練習に明け暮れた。そして、コンサートは大成功。しかし、サムは、その時に至っても、彼女には何一つ打ち明けられなかった。それを知ったダニエルは、彼女がアメリカに帰国すると聞き、「失うものは何もない」「言わないと、ずっと後悔する」と言って、愛を打ち明けるよう強くプッシュ。しかし、サムが打ち明ける前に、彼女は空港に向かってしまい、ダニエルはサムを乗せて車で追う。2人が空港に着くと、彼女は既に出国ゲートをくぐっていた。搭乗券がないので2人はそれ以上中には入れない。偶然、手間のかかる乗客が係員の気をそらしてくれている間に、サムはゲート内に忍び込む。しかし、手荷物検査を突破する際に追われる身となり、派手な追跡劇が展開される。サムは、彼女が搭乗寸前に何とか間に合い声をかけることができた。そして、頬にキスされる。1ヶ月後、クリスマス休暇から戻って来た彼女を空港まで迎えにいったサムは、幸せそのものだった。「愛は至る所にある」という映画の趣旨に沿い、サムのパートもめでたく愛が成就して終わる。

トーマス・サングスターの、人並み外れた顔が実に効いている。『メイズ・ランナー2: 砂漠の迷宮』では、それが個性になって輝いているが、この当時は、その破綻した顔が役柄にすごく生きていた。それに、deleted sceneで見られる抜群の身体能力〔もちろん特撮だが〕も面白い(折角なので、あらすじで復活させた)。


あらすじ (トーマス・サングスターの登場場面のみ)

ダニエル=サム組の最初の場面。サムの義父ダニエル(Liam Neeson)が頭を抱えて悩んでいる。そして、電話をかける。「カレン、また私だ。申し訳ない。他に相談する相手が誰もいないんだ」。相手(Emma Thompson)は、「構わないわ。辛い時期ですものね。でも、かけ直していい?」と謝る。「もちろん」。「誤解しないでね。奥様が亡くなられたばかりのあなたのことは すごく心配してるの」。「ありがとう」。2つ目は ダニエルの妻の葬儀の場面。会衆者の前に登壇したダニエルは、「ジョーと私は、長い間、この瞬間に備えてきました」とスピーチを始める(1枚目の写真、矢印はサム)。このことから、妻は、突然の事故死ではなく、闘病生活の末の病死であったことが分かる。「彼女は幾つかリクエストを出し、中には、葬儀にはデートの相手としてクラウディア・シファーを連れてくるべきだというのがありました。これは、妻も 無視されるものと期待していたでしょう」と笑わせる〔Claudia Schifferは、この映画を最後に結婚・引退した女優。この映画ではキャロル役で登場し、映画の最後でダニエルと仲の良い関係になる〕。しかし、他のリクエストについては、その通りになると確信していました。彼女が、この先どうなるか、最初に打ち明けた時、私は、『そんなことは絶対させない』と申しましたが、彼女は、『ダニエル、覚悟はできている』と言いました。いつものように、私の愛しき女性… サムの優しいママは、正しかったのです」(2枚目の写真)。その後は、妻の希望に沿って、Bay City Rollersの曲が流され、ダニエルらによって棺が担がれていく。
  
  

ダニエルが、唯一の相談相手であるカレンに家に来てもらい、相談をしている。ダニエルの心配は、サムが部屋に閉じ籠もったきり出てこないこと。サムの部屋のドアが映るが、そこには、小さな黒板が貼ってあり、「入るな〔KEEP OUT〕!」と書いてある。この時の会話で、サムが11歳であること、ダニエルが義父であること、それまでサムのことは妻に任せてきたので、どうやって接したらいいか分からないと悩んでいることが分かる。次のシーンでは、ダニエルとサムが、テムズ川沿いのベンチに腰掛けている。ダニエルが、「どうしたんだ、サミュエル? ママのことか? それとも他の悩みか?」と尋ねる(1枚目の写真)。「もしかして学校? 虐めか? それとも、もっと悪いこと? 何でもいい、ヒントをくれないか?」。「ホントに知りたい?」。「本当だとも」。「助けることなんか できなくても?」。「それでも知りたい」。「分かったよ。ホントのところ、マジで… 恋してるんだ」(2枚目の写真)。意外な返事に、ダニエルは 「何だって?」と訊き直す。「ママのことを想わなくちゃいけないことは知ってる。でも、恋しちゃった。ママが死ぬ前からね。もう、どうしようもないんだ」。「恋をするには若過ぎないか?」。「ぜんぜん」。「確かに、そうだよな。ちょっとホッとしたよ」。「どうして?」。「もっと悪いことかと思って」。「恋する苦しみより悪いことなんてあるの?」。恋の映画らしい出だしだ。大人の恋に混じる、ただ一つの子供の淡い恋。
  
  

自分では「どうしようもない」と悩むサム(1枚目の写真)を前に、ダニエルが、「なあいいか、一緒に解決しよう。私だって、昔は子供だったんだ。それで、その子は学校で一緒なのか?」と尋ねる。「うん」。「そりゃいい。で、彼女か彼は、君をどう思ってる?」〔“she, he” と言っているので、恋の相手を女性とは特定していないように思えるが、これはかなり「進歩的」な発言だ〕。「彼女だよ。僕の名前さえ知らない」〔“She” とはっきり発音して、女性であると強調している〕「もし知ってても、相手にしてくれない」(2枚目の写真)「学校中で一番クールな女の子だからね」。「どうしようもないってことだな〔basically you're fucked, aren't you〕?」(3枚目の写真)。にわかパパのダニエルは ここで立ち往生。
  
  
  

恐らく数日後、ダニエルがパソコンの前に座り、亡くなった妻の写真を見ていると、サムが元気なく近付いて来る。「どうした、サム、眠れないのか?」。「今日、最悪のうわさを聞いちゃった。ジョアンナがアメリカに帰っちゃう」。「君の彼女はアメリカ人?」。「そうだよ。それに、僕の彼女じゃない。アメリカに行っちゃうなんて、僕の人生終わりだよ」(1枚目の写真)。「困ったな…」と迷ったダニエルは、「ケイトが要るな。レオも要る。2人ともだ」と言うと、「おいで」と言ってTVの前に連れて行き、『タイタニック』の有名なシーン、船の先端でレオナルド・ディカプリオがケイト・ブランシェットに、「目を閉じて。僕を信じる?」と言い、ケイトが「信じるわ」と応じる場面を見せる。それを見ながら、ダニエルとサムも同じように手を拡げる。「私を信じる?」。「信じるよ」(2枚目の写真)。ソファに横になったダニエルは、「いいかい、サミー、彼女が特別で並外れた子なのは確かだが、世の中良く出来てて〔general wisdom is that in the end〕、1人の男性に1人の女性って訳じゃないんだ」と慰める(3枚目の写真)。「ケイトとレオはどうなの? そっちだって、ママだけだろ? 僕だってそうさ。彼女1人だけ」。そう言って人差し指を立てる(4枚目の写真)。
  
  
  
  

この映画で重要なパートを演じるロックシンガーのビリー(Bill Nighy)。老境に入り落ちぶれたビリーは、長年一緒にやってきたマネージャーの進言で、昔の自分の曲にクリスマスの歌詞を付け直し、カムバックを狙う。幸い、その曲がヒットしてTVで流れている。それを見ていたサムは(1枚目の写真、矢印はビリー)、ピンと閃く。そして、ダニエルの仕事部屋に飛び込んでいく。「ダニエル!」〔ここで、パパと言わず、名前で呼んでいる→→サムの台詞を、少しよそよそしい感じで訳した〕「思いついたんだ」。「素晴らしい! 話して」。「女の子って、ミュージシャンが好きだよね」(2枚目の写真)「変てこだって、ガールフレンドがいる」〔変てこ=TVで見たオジン〕。これに対し、ダニエルは、「ミート・ローフ〔アメリカのロックシンガー〕は、少なくとも1回はセックスしてるし、呆れたことにリンゴ・スターが結婚したのはボンド・ガールだ」と言うが、世代が違い過ぎて、サムには何のことか分からない。「どうでもいいよ。とにかく、クリスマスに大きなコンサートがあって、ジョアンナがそれに出るんだ。だから、バンドに入ってカッコ良く演奏したら、僕と恋に落ちるかもしれない。どう思う?」。「冴えてるし、素晴らしいよ。ほんのちょっぴり、ささいで、ちっぽけな問題はあるがね」。「楽器が弾けないってこと?」。「おっしゃる通り〔Yes, sir〕」。「そんなの、ちっぽけで、とるにたらない、ささいなことさ」(3枚目の写真)〔ダニエルの言葉をもじった台詞、顔の表情、ともに面白い〕。それ以来、サムの部屋のドアの黒板には「リズムこそ命〔RHYTHM IS MY LIFE〕」と書かれ、ドラムの音が響き渡る。
  
  
  

ダニエルとサムが頭を突き合わせてソファで横になっている。「彼女は、もう君に気付いたか?」。「ううん。でも、ロマンスって、最後の最後になって結ばれるものだからね」〔これが、子供の言葉?〕。「そうだな」。そこで、サムが話題を変える。「ところで、ごめん、そっちの恋愛どうなってるか、一度も訊かなかったね」(1枚目の写真)〔これが、子供の言葉? No.2〕。「知ってるだろ。とっくに終わったことだ〔a done deal〕」。ここで、ダニエルは、子供相手にしては思い切ったことを言う。「クラウディア・シファーから電話があれば別だぞ。その時は、すぐに君をウチから追い出すから、宿なしになるぞ」(2枚目の写真)「全部の部屋でセックスするからな。君の部屋でもだ」。その少し後で、サムの登場しない短いシーンがある。ダニエルがサムの部屋のドアを叩いて、「夕食の時間だぞ」と声をかけると、「お腹減ってない」と返事が聞こえる。「チキン・ケバブだぞ」。「ドアの掲示を見てよ」。黒板には、周到に、「お腹空いてないと言った〔I SAID IM NOT HUNGRY〕」 と書いてある。そして、ドラムの音が響く。
  
  

いよいよ学校のクリスマスコンサートの夜。この映画の登場人物も大勢駆けつける。Hugh GrantとMartine McCutcheonの一番長いシーンもここにある〔ヒュー・グラントの英国首相役は、全登場人物の中で一番冴えない〕。その後、Martin FreemanとJoanna Pageのペアがチラと映り、その次に、ダニエルとサムが車で到着する。Emma Thompson とAlan Rickmanのたそがれ夫婦とその子供たち、そこまでがこの会場内にいる。そして、いよいよジョアンナの登場。演じているのはOlivia Olson。女優兼シンガーソングライターなので、少女時代も、見事な歌唱力を見せてくれる。独唱が終わると、バックにライトが当たり、右に楽器、右奥と左にコーラスが並ぶ。サムが担当するドラムは最前列だ(1枚目の写真、矢印はサム)。演奏中のサムの姿も何度か映るが、一番楽しそうなのが2枚目の写真。ジョアンナの歌は大成功に終わる〔最後に、ヒュー・グラントの首相と秘書が舞台裏でこっそりキスするのが、聴衆全員にバレる〕
  
  

学校の廊下で、ダニエルがサムを見つけ、「サミー、すごいショーだな! ドラム最高だったぞ!」と駆け寄る。サムは、あまり嬉しそうではない。「どうも。だけど、思ったように いかなかった」(1枚目の写真)。「なら、言うんだ」。「言うって、何を?」。「愛してるって」。「言えないよ。それに、今夜 飛行機で発つんだ」。「好都合じゃないか、サム。失うものは何もない。それに、言わないと、ずっと後悔するぞ」。そして、自分の経験を話す。「君のママには言葉が足りなかった。毎日言うべきだった、愛してるって。いつも あんなに素敵だったのに…」。そして、「映画を観たことあるだろ。ジ・エンドになるまでは終わりじゃないんだ」と勇気付ける。サムも、「分かった、パパ、やってみる。愛の力ですごいハッピー・エンドにしてみせる〔Let's go get the shit kicked out of us by love〕」と言う(2枚目の写真)〔初めて「パパ」と呼んだ〕。2人は堅く手を握り合う。
  
  

サムが、「ちょっと待ってて」と姿を消し、ダニエルが立ち上がると、1人の女性とぶつかる。それは、今まで2度出てきた「クラウディア・シファー」本人。映画の中では、キャロルという子連れの未亡人に扮している。当然、シファーと似ているので、ダニエルは一目で惹かれ、ぶつかった謝罪から話がはずむ。キャロルは、「あなた、サムのパパよね?」と尋ねる。ちゃんとダニエルの顔を知っている。「ええ、義父ですが」と答えるが、目はキャロルに釘付け。2人は、お互いに自己紹介して握手。一緒にいるキャロルの息子が、それを興味深げに見ている。そこに、サムが、戻って来て、「いいよ。じゃあ、行こう」と声をかける(1枚目の写真)。ダニエルは、あがっているのか、「また会えるといいな、カレン」と、名前を言い間違える。相手は「キャロルよ」と笑い、「きっと会えるわ」と前向きな返事。「そお? よかった」。2人の仲良さそうな雰囲気を見て、サムはキャロルの息子にニヤリと笑いかける(2枚目の写真)。2人と別れたサムは、ダニエルに向かって、「打ち明けるんだろ」と言う。「何を?」。「分かってくせに」と、口を尖らせてチュッチュッとキスの真似(3枚目の写真)。「この生意気坊主!」。
  
  
  

2人が学校の玄関から出ると、ジョアンナが車に乗るところ。手間取っていて、遅くなってしまったのだ。がっかりするサム。ダニエルは、「大丈夫。空港に行こう。近道を知ってる」と、追いかける。ここから、映画は、サムがジョアンナに会おうとする話と、コリン・ファース演じるジェイミーがポルトガルに住む女性に求婚に行く話だけを、織り交ぜながら編集し、エンディングに向かって「愛することの素晴らしさ」を盛り上げていく。そういう意味では、サムとジェイミーが映画の最後を締める主役になっている。ダニエルとサムはヒースロー空港に到着。しかし、近道を通った割には追いつけず、ニューヨーク行きの21時45分の便は最終搭乗の案内中。出発ゲートに行き、ダニエルが、「搭乗する訳じゃないんだが」と話しかると、「搭乗券がなければ入れません」と断られる。「息子が、人生で最も大切な愛する人にさよならを言うのでも?」(1枚目の写真)。「だめです」。次に現れた客がRowan Atkinson。搭乗券が見つからなくて探している間に、その背後では、ダニエルが、「走って逃げられるか?」とサムに訊く。「やっていいの?」(2枚目の写真)。「ああ」。「じゃあ行く」。サムは、係員がRowan Atkinsonに気を取られている隙に、ゲートの中に駆け込む。
  
  

そこからは、サムの一人舞台。保安検査場では、金属探知機のゲートの前でジャンプして、うずくまって靴を調べている係員の頭上を飛び越える(1枚目の写真)。deleted sceneでは、冒頭、監督が、当初の脚本ではサムが素晴らしい体操の選手だという設定になっていて、空港内でジョアンナを追いかけるシーンでもその能力を発揮することになっていたと解説する。しかし、結局は普通の少年にしたため、関連する3ヶ所は削除された。その最初が、ゲートでのジャンプ・シーン。単に飛び越えるのではなく、空中で前方1回転して着地する。免税店街を駆け抜けると、その先の待合室では多くの乗客がイスに座っている。その間をサムは、連続側転し、途中から後方宙返りに変える(2枚目の写真、deleted sceneなので黄枠)。その後は、36番ゲートに向かって通路を走り、非常口を逆行して搭乗口を見下ろせる場所まで辿り着く。そこからは、ジョアンナが搭乗口前のゲートに並んでいるのが見える。サムは叫ぶが、ガラスで遮蔽されていて聞こえない。映画では、そこからどうやって搭乗口まで降りて行ったかが不明だが、deleted sceneでは、それを派手にやってのける。係員に追い詰められたサムが、開口部から鉄の棒に飛び移り、そこで1回転してから、もう1本下の棒に飛び移り(3枚目の写真、deleted sceneなので黄枠)、そこでひねって向きを変え、空中で後方1回転して着地する。まるで体操の段違い平行棒の演技を見ているようで、映画の流れの中で違和感の方が大きい。削除したのは当然だと思うが、面白いので復活させた。搭乗口の脇に着いたサムは、中の様子を覗う(4枚目の写真)。客は誰もいなくて航空会社の職員2人と空港係員が行く手を阻んでいる。ちょうどその時、TVのモニターが、ビリーを映している。今年のクリスマスのNo.1ソングに選ばれたのだ。そして、ビリーは、No.1になったら、イヴに日に全裸で演奏するとインタビューでうっかり約束してしまっていた。3人は、どうなるかと笑いながら見ている。サムは、その隙をとらえ、柵を軽々と跳び越して(5枚目の写真)搭乗口に向かう。そこにはジョアンナがいた。
  
  
  
  
  

サムは、「ジョアンナ」と声をかける。振り向いたジョアンナは、「サム?」と言って寄ってくる。「名前、知らないかと思ってた」(1枚目の写真)。「もちろん知ってるわ」。その時、追いかけてきた警備員がやってくる。サムは、警備員に連行され、小さな子供なのでお咎めなしで出発ゲートまで戻される。サムが、ダニエルに「やった」とばかりに、前にやったように指を立てて喜びを伝えていると、後ろからジョアンナがやってくる(2枚目の写真)。肩をつついたジョアンナは、振り向いたサムに微笑みかけ、頬に軽くキスをする(3枚目の写真)。彼女は、飛行機が待っているのですぐに戻ったが、サムは大喜びでダニエルに抱きつき、ケイトとレオのように腕を拡げて感動を露にする(4枚目の写真)。
  
  
  
  

1ヶ月後。場所は再びヒースロー。映画の出場者の面々が次々と姿を見せる。その中には、ポルトガルで結婚式をあげ、イギリスで暮らすために戻って来たジェイミー夫妻、そして、そこで偶然会った、友人のKeira KnightleyとChiwetel Ejioforのペアもいる(1枚目の写真)。また、一度はAlan Rickmanの浮気で危機に陥ったEmma Thompson とその子供たちの一家もいる(2枚目の写真、矢印はEmma)。そして、映画の中での順序は逆転するが、首相と秘書の2人も(3枚目の写真)。
  
  
  

Alanの次に入国ゲートから現れたのは、ジョアンナ。アメリカに帰るというのは、永遠にではなく、単なるクリスマス休暇だった。それを迎えるのは、サムとダニエルだけではない。「クラウディア・シファー」ことキャロルと、その息子も一緒だ。結局、この2人は、もう結びついたのか、将来、結びつくのであろう(1枚目の写真)。ジョアンナを見つけたサムが歩み寄っていく(2枚目の写真)。後ろでは、ダニエルが「ほら、キスしないと」と言うが、キャロルは「あれでいいのよ」とサムに味方する。
  
  

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